アンカー神戸三宮ブログ

障がい者就労移行支援施設アンカー神戸三宮のブログです。 授業内容等、活動内容を随時アップさせて頂きます。

2022年02月

①年代 30代女性

②病名・障害名(または症状や困ったこと)
⇒身体・両下肢の膝関節の機能障害、精神・うつ病、広汎性発達障害、適応障害

③これからの仕事について(オープンかクローズか、フルタイムかどうか)
⇒オープン、10:00~15:00 事務職

④アンカー在籍期間
⇒1年8か月

⑤アンカーを利用して良かった点
対人恐怖が強かったけど、自分の癖を学びつつ、他の利用者さんと悩みを共有・共感でき、恐怖感が和らいだこと
自分から悩みを相談できるようになったこと


⑥就労までに苦労した点
自己分析、履歴書の作成

⑦これから利用する人に向けてのメッセージなど
最初は不安なことが多いかもしれませんが、アンカーのスタッフさんはみんな否定せず、まず受け止めてくれます
そのうえでその人にとってどうすることが一番良いか一緒に考えてくれます
自分を大事に前進していけるといいですね!

タイトルなし


見学や体験の時から、緊張感と恐怖感が強く「電車やバスに乗る」のが苦手な方でした
当初はオンラインで月に1回会えるかどうか、やり取りはほぼチャット状態でしたが
時々声でやり取りして、直接話せる場面が増えてきたように思います
自然発生的なレクの中で、「どうぶつ王国に行こう」となり、周りからも後押しされる形で
一駅だけでも電車に乗れた時点で、もう大丈夫やな。卒業するなと感じていました
おめでとうございます



昨日は福祉講座のカリキュラムの中で、マトさん(ADHD当事者でもあり、訪問看護ステーションで作業療法士をされている)に特性との付き合い方や訪問看護について伺いました。


ご本人さんにも承諾をいただき、アップさせていただきます。

以下、エピソードです

 僕はいわゆる進学校に通っていた。ぎりぎりまで頑張っていたが、爆発する感じで高校3年生の夏にやめた。神経症的な症状も出て家庭内暴力なんかもあった。最終的には僕だけが家に残った。自分探しをするために大学に進学するもこれも中退。引きこもったり自問自答の日々もあったりしたが、22歳の時に好きな女性と付き合うようになり、どうやって稼いでいくかについていろいろと考えた。問題なく取り組めたバイトもあったが、スシローでバイトをした時にミスが多く、うまくいかなかった。自分でも少し知識があったがその時はADHD的な特性であることはなかなか認められなかった。


収入の安定を考えて、看護師になろうと思った。看護助手から看護師を目指せば、看護学校などの費用はある程度まかなえることを考えて看護助手になるもこれもミスが目立つ。この辺りから自分自身のADHD的な特性があることを認められるようになってきたと思う。


病棟の中で作業療法士の先生がお年寄りと手作業や音楽などをやっているところも見て。

『これならば速さにとらわれずリカバリーしながらできる』と思い、26歳頃だったと思うけどお金を借りて、作業療法士の学校に入学した。きっちりと授業に出るタイプではなかったけど課題などの範囲を聞いて取り組んだり、提出物などの小さなメモを持ち歩き、そこに書き込んだ。今まで神経症的な症状で苦しんできたところもあったが、今回は自分で決めたことや失敗できないという思いがADHD的な「ミスをしやすい」「先送り癖」ではなく、神経症的なところがバランスよく働き、卒業して資格を取ることができた


精神科の作業療法士になろうと思ったが、体をみれる作業療法士になりたいと思って、まずは一般科の病院や社会福祉法人で勤めた。GH(グループホーム)の勤務時「内服の補助・薬の管理」を忘れそうになるが、この仕事はここがポイントと思ったことは抜けてはまずいと思い工夫した。どの仕事でも「絶対にきっちり」と「そこまできっちりでなくてもいい」みたいなところがあるので、意識して取り組むようになった。そうすれば大体の仕事はうまくいくと気が付けた。


そこからも紆余曲折有。発達障害の2次障害的にガンにもなった。トイレの近くでしか過ごせないこともあったが、だんだんと回復していた。今は就労移行の週5日で通っている方の中の一番下くらいの体力ですと笑って答えてくれる。この時も稼がないとだめだけど、体力もない。効率よく働くことや年金なども含めて考えることが増えた。


今の仕事は訪問看護ステーションで勤務している。東は尼崎、西は三宮くらいまでの方をフォローアップしている。


医療行為だけでなく、その人に必要なことであれば学校に掛け合い配慮事項を求めたりしていた。無料でしていたので今後は福祉事業所との連携にて実施している


転職等の相談の時には就労移行などを使えないケースなどでは、訪問しながらやれるサポートをやっていった。やりがいもあるけど移動の距離も有、できることの限界も感じている。発達障害のあるお子さんの育児を一緒にお母さんとやっているような時もある。相手に合わせて取り組むことでやりがいも感じている。


自分自身もAC依存症などの自助会、発達障害などのグループにも参加することが多かったので、GAGAムーンという団体で自分でも行っている。月末当たりの金曜の夜が多く、西宮の福祉センターなどを使うことが多かったが、コロナ禍になりzoomを使ったり最近はTwitterのスペースを使ことが増えた。


年に1~2回、しあわせの村でキャンプみたいなこともやっている。BBQや泊って過ごすことなんかも企画している。コロナが落ち着いていれば今年もGWくらいに実施できればと思っている


マトさん、Twitter

https://twitter.com/masa0929mato

昨日は就労者の集いでした

 

50代の男性にインタビューをする形式で話を伺っていきました。

 

〇発症のタイミングや考え方が変わるきっかけ

高校性の時に統合失調症を発症して、その後国立大学に進学、いわゆる有名な企業に就職

優秀な人が多いと感じてしまい早期退職してしまう。大学も「ブランド」捉えていたのかもしれない。障がいの特性上、認知的な機能の問題もあったように思う。 pcを使う仕事、事務的な仕事がいいと思っていたが、流れを変えたいと思ってA型の事業所で作業的なことを経験した。正直めちゃくちゃ楽だなぁと思って取り組み、トータル7年ほど勤めて、最優秀メンバーにも選ばれた。作業系なら「やっていけるのではないか」ということに気が付いた。

 

〇仕事について、色々な働き方(オープン・クローズ、フルタイム・パートなど)で働いたが、特別の配慮を求められるわけではない。「失敗してもそれほどは怒られない。必要以上の仕事の負荷がない」程度で捉えておく、時間給はあまりしんどさに比例しないところもあり、実際自分は何ができるか?ということを考えた方がいい。飛び込んでみて試すことも大切。(50円のアイスと170円の豚まんのどちらがおいしいかというのと似ている。夏の暑い時は安いアイスがおいしいと感じる人が多く、高いけどどうしても豚まんが食べたいと感じる人もいると思う。高いから良い・安いからダメということではない)

 ちょっとしんどいからやめたでは能力は開発されない。イチローは八村塁はそれぞれ野球やバスケを選べた。自分の強みを知っていたことがすごい点で、人と比べてどうかではなく、自分がユニークで何ができるかということを考えて進化すると、同じ土俵で争わない。個性を活かす方法で楽に生きられるように思う。仕事を続けるには「職場で嫌われないように挨拶はする」「作業所は自分の訓練をする場、通過するところと思った」

 1日週4時間くらいしか働けない時もあったが、人に手紙を書くことは好きで続けられた。どんなにつらい時でもしたいことはできる。「時間がない・お金がない」と言ってやってないことは自分がやりたくないこと、こういうことは伸びないと思う。日々の積み重ねが今の自分を作っていると思う。人と争う視点はなく、自分の個性を伸ばすことを考えている。

 今はセミオープンという感じで週に5×4時間、外資系のスーパーで働いている。職場はお互いのことのファーストネームで呼び合う。役職のある上司でもファーストネームで呼び合い、センター長の部屋のドアも当たり前のようにいつも開いている。すれ違う時も誰でも挨拶をする。日本のように仲の良い人だから声をかけるようなところはない。

業務は、外資系のスーパーでピッキングをする人がしやすいように準備する仕事でファミリー向けの商品が多く、重たい荷物もある。パレットの上にある荷物に大きなラップをかけることもある。意外としんどいところもある。

 

〇恋愛について、10年ほど前に今の奥さんと知り合って、2年付き合ってから42歳の時に結婚した

趣味のサークル的なところで出会う。人と出会えるところに行くことできっかけは転がっている。障がいがあっても結婚をあきらめることはなく、自分がカバーできること、気にならない障がいであれば、恋愛も結婚もあきらめることはないのではと。結婚して自分のアイデンティティを高められた。不思議とケンカらしいケンカをしたこともない。障がいは付き合って割と早い段階でお互いに打ち明けた。

当時は作業所で勤務していたので月収10万円にも満たないので、生計が立てられない。まさか結婚すると思わなかった。相手のお母さんが結婚の後押ししてくれた。

 

〇休みについて、深い眠りが一番ではないかと思う。趣味は井戸みたいなもので、井戸から水をくみ上げるようにエネルギーがくみ上げられる感じで満たされる。でも趣味ばかりになるとエネルギーを使いすぎるので、趣味ともいい距離感をもつことが必要かもしれない

 

〇薬について、ストレスから守っているところもあるが、ある程度の作業スピードを求めていく場合は薬を減らしていく必要があると思った。一番飲んでいたときより1/3になってきた。でも急に減らしてしまうと一時的に調子が悪くなる時があるので、半年くらいで減らしていくイメージ

⇒主治医が柔軟な先生で「減らしてもいいよ」と言ってくれた。「3日に11錠減らす」「2日に11錠減らす」というのができたら緩やかにグラム数を減らすことを提案されたこと、漢方薬に切りかえられたことも有効だったのかもしれない。精神病薬を飲むことで(勤務していたA型の施設外勤務で)お菓子ラベルのミスやずれがないか?検品を2秒に1回することがあったが、ついていけない時があった。減らすことでうまく取り組めたと思った。薬を減らすことも、無理なく取り組めたのがよかったように思う

 

〇作業所に行くことで自分の気づきになった。色々なものに値段がある。安いボールペン・いいボールペン、安いコーヒー・いいコーヒーがある。自分の稼ぎに合わせた生活になる。自分のできることをしてお金を稼ぐ。最低限の働き方をして我慢して過ごすより、時間給の良い働き方をすることで作業所の時より休みも収入も増えて充実してきた。「自分なりにたくさん働き、たくさん使う」という母親が「一番気持ちいいよ」と話してくれた働き方お金の使い方になってきたのかもしれません

 

〇心の持ち方について、フラッシュバック的な症状もある。夕飯を作ることもあるがその気にならない時もある。「まずはお箸を並べる」ところから始めると不思議と夕食がスムーズに作れるときがある。これの応用で履歴書や職歴書もちょっと大げさに書くくらいでいいかも。嘘はダメだけど、「自分はできます」と強調していくと不思議にできるようになることもあるのかもしれません。大体でいいからやろうと自分に提案している。「自分に嘘をつくと自分が苦しくなる」「宗教心はないけど自分の中に神様がいる」と思っている。だんだん社会保障費も下がってくるかと思っている。自分自身でも稼ぐことも考えて、この仕事やるぞと思っても、そこから510年経ってしまうかもしれない。失敗したりうまくいかなかったりすることあるので、準備できる人は、今の時期から分析をしておくことが大切だと思う

 

〇質疑応答 

 奥さんとも入れ違いがあるときも感情ではなく、問題点にフォーカスを当ててあまりストレスをためない。付き合っていく段階で相性はそれなりにいいと感じた。そんなにうまくいかないことはない。

 自分に合わない作業を指示されたとき、我慢をするときもあるが、今の職場でも今までもそうだったけど、相談することがいいと思う。自分でもいろいろな仕事をしながら自分に合った業種の選択で全然違う仕事をしなければそれなりにうまくいく

 自分の特徴を進化させれば、唯一無二になるのではないか。時間を延ばしてもう少し稼ぎたい。3年後には16時間くらい働ければと思う。収入は今足りないところは父親からもサポートしてもらっているが、夫婦二人で自活できたらと思っている。

 家事の分担についても料理なども一緒に作ることが楽しい。家事の分担とかでけんかになることはなく、スーパーで買い物にいくことなど一緒にすることが増えると仲の良さを維持できると思っている

 今回の会社は50分ほどの面接だった。面接とかで緊張することもあるかもしれないけれど、「どんなことを聞かれるだろうか?」と頭の中で準備しておくと対策になるように思う。それが緊張しない対策になったのかもしれない。就職したいというと自己分析していくとむしろ楽しいところもあるように思う。ある程度失敗もしてきたところもあったけど、うまくいったことも思い出して取り組んだ。郵便局の仕事の中でほめてもらったことが今の取り組みのきっかけにもなっている

 

〇最後に、自分の仕事に付加価値を見つける。2倍の給与があれば2倍しんどいのではない。

専門的な資格、経験など自分の付加価値を考えて、自分は最低賃金の人間ではないとおもうこと、これが大切なのではないかと。

 


 












就労者の集い参加の皆様
準備いただいた皆様、ありがとうございました。

この後、18:00~20:00くらいの感じで
オンライン飲み会が開催できればと思っています。

先ほどの集まり同様に、skypeを使い進行できればと思っています。
カメラも音声も話せる人だけでOKかと思います。

skype ID オンライン飲み会は終了した。次回までおまちください





今週末にイベントの開催予定ですが、新型コロナの感染の拡大もあるため
今回のイベントはオンラインのみとさせてください。


今回はオンラインソフト「skype」を使って行う予定です。
zoomではありません。


今回はアラフィフの統合失調症の男性のインタビューと質疑応答を軸に進めていきます
・高校生の時に発症しながらも国立大学に進学。いろいろな働き方を試してみて現在は自分に合った働き方ができているようです。また病気との付き合い方や結婚生活の工夫などもしつつバランスを取られている印象です。

気になることを伺いつつ、うまく生活も仕事も維持する方法などの必勝法をみんなで考えられるといいですね。

気分や体調のこともあるので、急な参加やドタキャンもOKです
今回はオンラインなので、好きなんタイミングでご参加いただき
途中で抜けることも可能です。


日時 :2月19日(土) 14:00~16:00
場所 :オンライン開催のみ(事前に無料ソフトskypeをダウンロードしていただけると助かります)
参加費:無料
内容 :病気や障害を抱えつつ働くことのインタビューと質疑応答など


就労者の集い 4.2.19




※所属や就労の有無は問いません。
申し込み・問い合わせ先:就労者の集い syuurousyanotudoi@gmail.comまで

オンライン 今回のイベントは終了しました
(当日の様子スペース等で共有を検討しています。音声のみ)


直接参加の会場はありません
自宅等から参加ください。

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